フロント 2010年3月20日
愁いの音色 高校生二胡奏者
週末の夕方、勤め帰りのサラリーマンらでにぎわう南県町の居酒屋。その一角で、まだあどけなさが残る顔立ちの男子高校生が二胡を奏でる。その風貌とは相反して、愁(うれ)いが漂う音色に満席の客が酔いしれる
高山賢人(けんと)君(17)=篠ノ井。家族全員が音楽好きで、子どものころから姉にピアノを教わり、よく聞きに出掛けた。そんな環境で育った彼は11歳のとき、二胡と出合う。テレビから流れる独特の音色に引かれ、二胡を探しに姉と楽器店やリサイクルショップを回った
何とか格安の二胡を手に入れると、独学で毎日夜中まで練習した。チューニングの仕方も分からない手探りの状態。その苦労は小学生にとって並大抵でない。松やにを付けることも知らず、弦が切れても対処法が分からなかった。音を出すだけに数カ月かかった
見かねた母親が教材を買い与え、その後はCD の音やDVDを見ながら覚えた。ようやく曲を弾けるようになったが、今度は休日は朝から晩まで弾いていたため、近所から苦情が来たことも
中学生になり、知人からの依頼でミニコンサートや老人ホームなどで演奏するようになった。二胡の代表曲「賽馬(さいま)」。草原を走る馬の姿を見事に表現しているテンポの速い曲も、早くから弾きこなした。そんな彼のうわさは口コミで広がり、県外のホテルのディナーショーなどでライブ活動が増え、いろいろな場所に出掛けるようになった
八ケ岳の麓を拠点に活動しているシンガーソングライターの美咲さん(24)とも出会い、美咲さんの活動にもかかわってきた。4月10日にはホクト文化ホール(県民文化会館)で、2人のライブが開かれる
最近では、高校の同級生やインターネットで知ったという同世代のファンも増えている。この4月からは本格的な演奏活動をするため、高校も通信制に替える
ポップス、ロックなども弾きこなす高山君は、伝統的な二胡の音も大切にしながら新たな道を切り開こうとしている。
(記事・竹下真澄)
(写真・森山広之)
LIVE予定
4月10日(土) ホクト文化ホール小ホール。「高山賢人×美咲Nagano Concert」。17時開場、18時開演 問合せ/松下080・3213・2940
4月17日(土) TOiGO広場。「第2回アイウィル春フェスタ ライブ」。11時〜11時30分 問合せ/NPO法人アイウィル事務局(電話)264・2070
毎月第1金曜日 南県町の豊蘭亭でLIVE。19〜21時 問合せ/豊蘭亭(電話)237・2046