フロント 2010年5月22日

ぬくもりのデザイン発信

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“ふつうな生活”をテーマに「使う楽しさ」が感じられる作品の数々

千の手で救済してくれるという千手観音、しかしいざ手伝ってもらっても「猫の手」で役に立たない「猫手観音菩薩(ぼさつ)や、普賢(ふげん)菩薩ならぬ「不機嫌菩薩」、弥勒(みろく)菩薩ならぬ「魅力菩薩」-。

今春から、松代の古刹(こさつ)清水寺(せいすいじ)で販売されているお守りにデザインされた仏様たち。“おやじギャグ”的な温かさをたたえた一風変わった命名と、人間くささあふれるイラストの姿が静かな話題となり、観光客らの目を引いています。

制作したのは長野市生まれで稲田在住のグラフィックデザイナー中沢定幸さん(45)。小さい時は漫画のキャラクターたちをノートに描いて遊ぶのが好きだった中沢さんは、高校卒業後、出版社や郵便局勤務を経てデザイン会社に入社。大手企業の広告など本格的にデザインにかかわるようになりました。

1996年、独立して中沢デザイン事務所を設立。美術館のポスターやチラシ、菓子やジャム、弁当などのパッケージ、本や雑誌など出版物の装丁やロゴデザインといったさまざまな仕事を手掛けてきました。

また「自分の力量テストのつもり」で、各種コンペにも継続して参加。昨年秋には、指定の手順で組み立てると買い物バッグに変身するユニークなポスターが「ライフデザイン信州2009」(県など主催)でグランプリを受賞。そのイラストのエコバッグ=写真左=は県内のセブンイレブン全店で紹介されて反響を呼びました。

近年は、作家仲間5人でつくる創作ユニット「nana*t(ナナット)」でも、オリジナル作品を発表。展覧会を企画する活動に加え、現在は県技術専門校とOKA学園の講師も務め、デザイナー岡正子さんらとカジュアルシルクを提案するブランド「Japonica」を展開しています。

手描きにこだわり、「生活の中でクスッとしてもらえ、持った人の心を温かくできるデザインや生活雑貨を創(つく)り続けていきたい」という中沢さん。最近とみに好きになったという地元長野の地から、ホッとできる温かみのある“オリジナル作品”を発信しています。

(記事・中村英美)
(写真・森山広之)

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中沢定幸さん

主な受賞経歴
上海2010ポスターコンペティション金賞、
The 2nd International Poster Exhibition,Ningbo 金賞 など

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