フロント 2010年6月5日
よりすぐりの名品 楽しんで
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石井柏亭「画室小集」1949年 油彩 110.7×160.8cm
県信濃美術館では1966(昭和41)年の開館以来、郷土作家の作品や信州の風景画を中心に作品を収集し、現在約2900点を収蔵しています。あす6月6日(日)から始まる「信州ゆかりの天才アーティスト」展では、これらの中からよりすぐりの名品約100点を紹介します。
本展出品作の石井柏亭「画室小集」=作品上=は、柏亭に師事した作家たちがテーブルを囲んでいる様子が克明に描かれています。中央の画中画は、柏亭自身が描いた「麦秋」で、一水会という団体展に実際に出品された作品です。壁にはベラスケスの肖像画が掛かり、テーブルの上にはクールベやマネの画集、フルーツの盛り合わせのほか、ラベルや瓶の形からサントリーの角瓶とわかるものなど、当時のハイカラな品々が置かれています。
戦後復興期に、作家たちはたばこをくゆらせ、グラスやティーカップを片手に何を語り合っているのか、想像をめぐらしてみるのも一興です。また、画面手前の後ろを向いた白シャツ姿の人物は不破章、「麦秋」左前の横顔の人物は須山計一。いずれも本展で作品が展示されます。
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池上秀畝「秋雨」1932年 日本画 161.0×177.5cm
池上秀畝「秋雨」は、千葉県市川市真間にある晩秋の蓮(はす)池を取材したものです。蓮の葉や実、鳥が羽をばたつかせる様子が、日本画ならではの繊細な色彩と描線で表現されています。画面からは、水辺のひんやりとした空気が感じられ、水しぶきや葉に当たる雨の音が聞こえてくるようです。
この機会に長野県が有する至極の作品を、ぜひお楽しみください。
(記事・県信濃美術館学芸員 土屋宏美)
信州ゆかりの天才アーティスト
─長野県信濃美術館名品展─
6月6日(日)〜7月11日(日) 開館9〜17時(入館は〜16時半) 大人500円、大学生300円、高校生以下無料 休日/水曜。
〈主な出品作家〉
日本画 菱田春草、西郷孤月、菊池契月 洋画 安井曾太郎、梅原龍三郎、小山敬三、草間彌生 版画 池田満寿夫 工芸 松井康成、山浦真雄 彫刻 荻原碌山 書 比田井天来
[同時開催]東山魁夷館常設展II「絵のなかのリズム」
県信濃美術館(電話)232-0052(城山公園内)