フロント 2008年12月6日

1206-01-01.jpg 寝技のけいこ

「小さな怪獣たち」に柔道指導

真っ白な柔道着に身を包んだ「チビッコ三四郎」たちは、とびっきりのやんちゃ盛り。若穂中学校格技室に敷き詰められた畳の上を、楽しそうに走り回ったり転がったり。「カニさんだぞ〜」「ジャンプ!ジャンプ!」。準備体操は、まるでNHKの「おかあさんといっしょ」を見ているようでほほ笑ましい。

若穂柔剣道育成会柔道育成部の指導に当たるのは、小宮山幸広さん(34)をはじめ、同会のOBやOG14人。いずれも大学まで柔道を続けてきた人や全国大会出場者、海外指導の経験者らベテランぞろいだ。

40年以上にわたり、数え切れないほどの子どもたちをはぐくんできた歴史を誇る同会は昨年度、諸事情が重なり消滅。発足当時に畳を寄贈してくれた人や、長年指導を続けてきた先生の意気消沈した姿を見て、卒業生が結集した。

「育成会が武道や礼儀作法を教える、極めて珍しい町ぐるみの伝統を、何としても守りたい。今こそ恩返しの時」と新指導者の小宮山さんが中心になり、今春、自身の息子を含む4人の園児で再スタート。その後、地元の保育園や小学校に積極的に呼び掛けたところ、園児15人と小学生5人の計20人に増え、活気がよみがえってきた。

小学2年生で柔道を始めた小宮山さんは、中2で黒帯、体育大学時代に3段を取得。語学留学先の米国で腕試しに飛び込んだ道場では、実力を認められ指導者として活躍。国民性の違いを実感した貴重な体験や、大学時代の教育実習が今の指導に生かされている。

「柔道の基本は受け身。体に染み込んだ受け身は、さまざまな場面でけがを防いでくれる。そして将来、どんなスポーツの道に進んでも必ず礎になる」と受け入れ年齢の幅を広げた。新たな課題は、今まで教えたことがない「小さな怪獣たち」の指導法。試行錯誤の末「3つ褒めて1つ直す」「練習メニューは短くたくさん」にした。

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左)決まった!背負い投げ (右)楽しく基礎トレーニング

「さあ投げろ!」「よし、いい受け身だ!」。打ち込みと受け身の基礎練習に続き、まさに「柔よく剛を制す」背負い投げの練習が始まった。「目標は長野市大会への出場」という小宮山さん。今は遊びの延長にある練習も、積み重ねによって、きっと成果が上がるはずだ。

柔の道は、計り知れない可能性につながっている。
(記事・三井百合子)
(写真・伊東 征彦)

若穂柔剣道育成会柔道育成部
毎週火曜日の午後6時から7時、若穂中学校格技室(柔道場)で練習。年会費1000円(保険代500円、予備費500円)。会員を募集中。体験入門も歓迎

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