フロント 2008年12月13日
読書の種まく読み聞かせ
「赤ちゃんの成長におっぱいやミルクが欠かせないように、本は心の発達にとても大切。絵本を心の栄養として、1日に5分や10分でもいいので読んであげてください」
市北部保健センターで10月下旬に行われた「7〜8カ月児健康教室」。赤ちゃんの身体計測や赤ちゃん体操、保健相談などが終わった後、読み聞かせボランティアグループ「おはなしポケット」(戸谷浪子代表)による絵本タイムが始まりました。
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まずは母親たち全体に向けて読み聞かせの大切さについて話し、その後グループに分かれてもらい、読み聞かせをします。
「くまちゃんが ほらね いない いない……ばあ」。絵本を読むと目を輝かせ手を伸ばしてきた山田愛翔ちゃんは生後8カ月。「月齢ごとに1冊ずつ絵本を購入しているんです。毎日少しずつ読んであげていたら、結構本が好きになったみたい」と、お母さんの亜里沙さん。また、本を開くと、じっと見つめて興味を示す赤ちゃんに、「絵本なんてまだ早いと思っていたのですが」と驚くお母さんもいます。
疲れて眠っていたり、ぐずっている赤ちゃんもいますが、忙しいお母さんたちに少しでも興味をもってもらえれば、と優しく語り掛けます。その間、10数分。「短い時間ですが、赤ちゃんとお母さんに直接触れ合える、私たちにとって貴重な時間」とメンバー。
「おはなしポケット」は、2006年に市立長野図書館が行った読み聞かせ講座の受講者らで発足しました。元北部母親文庫(現親子文庫)代表を13年務め、読書推進活動に貢献してきた戸谷さんがまとめ役となり、図書館などでのおはなしイベントへの参加、学校での読み聞かせなどに加え、07年からは「7〜8カ月児健康教室」での活動にも取り組んでいます。
この教室での活動は赤ちゃんと本との初めての出合いを大切にし、「絵本を通して保護者が赤ちゃんと楽しいひとときを分かち合うこと」を応援する「ブックスタート」運動の一環。同センターをはじめ、市内10カ所の保健センターで行っています。現在のメンバーは30人ほど。数人ずつ担当を決め、身内のような気持ちでお母さんと赤ちゃんに話をしています。
「種まきしてるんですよ。将来を担う子どもたちに、育てる親御さんたちに。読書の種をまいて、読み聞かせという栄養をあげて、豊かな心が育つように」と話す戸谷さん。
若いお母さんの心に、そして赤ちゃんの心に、まかれた小さな種はそれぞれの家庭で芽を出し、いつか花開くことでしょう。
(記事・田中晴子)
(写真・宮本辰雄)