フロント 2008年1月31日
北村さん=写真上。昨年、妹の和田さん=同下=と開いた兄妹2人展で
四つの趣味楽しみ充実人生
1月24日に開かれた「平成20年度NHK全国短歌大会」で、北村柳次(りゅうじ)さん(78)=富竹=は10年連続で入選した。ほかにも多くの入選歴があるが「1月のこの発表は、昨年1年間頑張った成果という感じがするので毎年楽しみにしています」。
造園・園芸の会社を経営し、「信州の名工」に選ばれるほどの造園師として70歳まで働いていた北村さん。「仕事で手を使っているときでも、頭を働かせればできる趣味」として、学生時代からの短歌・俳句づくりを続けてきた。頭に浮かんだ文言を小手帳にメモしておき、朝晩の在宅時などに推敲(すいこう)してきたという。
北村さんは1996年の「宮中歌会始」で長野県からただ一人入選した。その年のお題は「苗」。長野市の地附山地滑り災害の復旧活動で、県から緑化工事を受注して作業した体験を思い起こし、「地すべりの傷あと残る山肌に命綱つけ苗木植ゑゆく」と詠んだ。その一首が選ばれて宮中正殿松の間に参上したことが、名誉ある思い出になっている。
会社を子息に引き継いでからは水墨画と日本画も趣味に加え、応募した各種展覧会で数々の入賞入選を果たした。昨年6月にはギャラリー82(岡田町)で、全国水墨画秀作画展や県展で入賞している妹の和田千代春さんと、絵画の兄妹2人展を開いた。北村さんは水墨画で十六羅漢を描いて掛け軸にし、寺に問い合わせたり文献で調べてまとめた羅漢一人一人の説明を添えて展示し、来場者の心に残るように工夫した。
最近は「井の中の蛙(かわず)になってはいけない」と思って俳句の結社に入り、毎月送られてくる会報俳句集にも目を通している。
短歌、俳句、水墨画、日本画と4分野の大会や展覧会に積極的に応募している北村さん。「締め切りが次々にあるので、それに間に合わせるのに毎日忙しいが、張り合いがあります」と充実した時を楽しんでいる。
(写真と文・水崎康夫)
北村柳次さんのプロフィル
1931年大豆島生まれ、富竹在住。庭師の雅号は弦月庵。96年「信州の名
工」で知事表彰。日本画を小池政雄さんに、水墨画を石原葉昌さんに師事