フロント 2009年4月25日

142-01.jpg「静寂」

古里信州から生まれた 青

故郷の長野県を離れて40年になります。長野で過ごした中学生時代、西の旭山を見上げながら、いつかはあの山の向こうへ行こうと思い続けました。

願いがかない現在は、はるか西の神戸に居住しています。文学志向の私が詩作、写真、書道を経て、絵に出合ったのが神戸。そして今度は、海の向こうが気になりました。

世界に自分の作品を発表したいという新たな願いの下、スペインをはじめアメリカ、ベルギー、デンマーク、フランスなどで個展を10年間続けてきました。

0425-01-02.jpg「讃」

英語もフランス語もできない私です。荷物を降ろさないうちに走り去ってしまったバスに追い付けず途方に暮れたこと、スリに遭ったり、個展会場が予定より急に広くなっていて絵が足りなくなったり、と毎回ハプニング続き。でも、その場その場で助けてくれる人たちが現れました。10年も海外個展を続けられたのは周囲の助けのおかげです。

青は西欧ではマリア様の衣の色であり、精神的な思いの深い色と聞きました。私は青が大好きで、青の絵を描くのが何よりも心地よいのです。善光寺の近くで生まれ育った私の絵の中に、知らず知らずのうちに宗教性に近いものがあるのでしょうか。ヨーロッパ社会でも、精神や心が大切にされていることが個展の折々に感じられ、大きな励ましになりました。

私の青は、信州の空気や、キーンと澄み切った空間から生まれる青だと思います。その空間が刻々と変わりつつあるように、さまざまな青の画面を描き続けたいと思います。
(絵と文・三沢かずこ)

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三沢かずこさんプロフィール
1950年長野市生まれ。中学時代まで長野市に、現在は神戸市在住。10年前からヨーロッパ各地やアメリカなどで「青の作品」で個展発表を続ける。“三沢ブルー”といわれている深い青の抽象画は、国内外で高い評価を受けている。日本美術家連盟会員、神戸芸術文化会議会員
※5月31日(日)まで信州新町美術館で、故郷での初個展「三沢かずこ展−青の世界−」を開催中

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