フロント 2009年8月29日
江戸の喧騒と凛を表現
掲載作品の「江戸切子」は夏の昼下がりのひととき、「涼を求めて」をイメージして制作しました。
切子とは、ガラスの器に施された模様のことをいいます。江戸末期に始まったカットガラスの伝統的工法です。天保の時代に加賀屋久兵衛という硝子(ガラス)商が、金剛砂でガラスの表面に彫刻を施す細工をしたのが始まりといわれています。150年以上の歴史を持つ江戸切子の技術は、平成の時代になっても、数少ない職人の手によって受け継がれています。
職人という道は、一生勉強であり、私もまだまだ道半ばです。このたび、故郷の信州新町美術館で「江戸切子展」を開催することになりました。今回のテーマは「春夏秋冬」。時に厳しく、そして限りなく優しい信州新町の自然や人々、そして私にとっての第2の故郷「江戸」の喧騒(けんそう)と凜(りん)とした精神を、四季を通じて表現してみました。9月6日(日)まで展示します。ぜひ故郷長野の皆さまに見ていただき、感想をお聞かせいただけたらと思います。
残る人生をこれからも現役で努力し続けたいと思っております。
(作品と文・瀧澤利夫)
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瀧澤利夫さん
1938年信州新町生まれ。東京都江東区在住。54年㈲北信硝子に入社。65年江東区に工房を構える。88年に東京カットグラス工業協同組合江戸切子新作展で入選以来、毎年、各種の賞を受賞。89年東京都伝統工芸士認定。96年9月から読売日本文化センター横浜で「江戸切子」の講師を務める。2007年経済産業大臣指定伝統工芸品「江戸切子」で国の伝統工芸士に認定される。