フロント 2009年10月17日

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当日の演目の一つ「かせかけ」。逝った夫への深い思いが、丹念に糸を巻きつけていく所作に表れる(9月の須坂市制施行55周年記念「組踊特別鑑賞会」から)

交流願い琉球歌舞公演

琉球古典芸能の歌舞が10月31日(土)夜、長野で鑑賞できる。市勤労者女性会館しなのきで開かれる舞台「琉球の芸能・伝え継ぐ力」の公演だ。市民グループ・信州沖縄塾(事務局・上田市)の開塾5周年を記念し、沖縄から招かれた古典芸能伝承者が組踊(くみうるい)、古典曲演奏と舞踊を披露。12人の演舞者による歌・三線(さんしん)、笛、箏(そう)、太鼓、舞踊を格調高く繰り広げる。

沖縄の人々は古くから歌舞を心のよりどころとしてきた。太平洋戦争で島は焦土と化したが、脈々と受け継がれてきた伝統芸能が人々の心を奮い立たせ、困難に立ち向かう支えとなった。その古典芸能をしっかり伝え継いでいこうと1977年から、沖縄の学校教育の場で「組踊部会」が組織されている。教師らによるもので、完成度は高く、海外でも公演される。

今回は部会で指導している師範免許保持者と共に、選抜された実力者がそろった。公演を企画した同塾長の伊波敏男さん(66)=上田市=は「当初はもっとささやかな舞台を計画していた」と話す。

ここまで大きく膨らんだのは、伊波さんの「ふるさと沖縄の上質な文化を見てほしい」「公演をきっかけに、沖縄と長野の高校生レベルでの交流が盛んになってほしい」という思いが、人と人とをつなげたからだ。有志による実行委員会が組織され、らせんを描くように協力者は増えた。沖縄出身で実行委員の野池道子さん=川中島町=は「沖縄には“いちゃりばちょうで”という言葉があります。集った人は皆兄弟という意味。だから損得を考えずに動くんです」。

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チラシ・ポスターの作成、広告集め、チケット販売など、ボランティアで活動している。沖縄からも長野の人に感動してもらえる舞台をと、地元で活躍するプロデューサーや舞台監督が協力を申し出た

伊波さんは「松代大本営地下壕(ごう)や満蒙開拓団など、長野県も戦争で多くの犠牲を払った。これらを風化させないためにも、二つの県の高校生が互いの文化・歴史を学ぶことは、両県の未来の大きな力になるはず」と話す。公演では高校生招待席を50設けている。

当日は15時から西後町の本願寺長野別院本堂でも、戦争で命を失った人たちの追悼法要と奉納演舞が行われる。

(記事・佐藤定子)
(写真・國吉洋一)

組踊
:琉球王朝時代、中国皇帝の使者・冊封使(さっぽうし)を歓待するために創作された。音楽・踊り・せりふで構成され、能や歌舞伎の要素が入る。1972年、国の重要無形文化財に指定されている。

問合せ/実行委事務局(竹内)(電話)0268(24)0276

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